マルセル・ブロイヤーによってデザインされ、後ろ脚のないカンチレバー構造の名作となったチェスカチェア。
そんなチェスカチェアには価格を抑えたリプロダクトも多く存在します。
今回は、チェスカチェアのリプロダクトをレビューし、正規品との違いをご紹介します。
チェスカチェアの価格について
従来のチェスカチェア正規品は籐を手作業で張っていました。
現モデルでは手作業ではなく機械張りにしたことでぐっと値段が下がっています。
- アームレスチェア
- 手張り:355,200円
- 機械張り:173,800円
- アームチェア
- 手張り:408,100円
- 機械張り:227,700円
一方、リプロダクト価格帯は10,000~60,000円ほど。
リプロダクト品は、機械張りの正規品と比べても1/4以下の価格となっています。
チェスカチェアの雰囲気を手軽に試したい方にはリプロダクトがおすすめです。
チェスカチェアのリプロダクトレビュー
それでは、チェスカチェアのリプロダクトをレビューしていきます。
リプロダクトの多くは、組み立てが必要となります。

今回のリプロダクトはパイプは完成していたので、ネジを8~12か所入れ、10分ほどで組み立てることができました。
アームタイプとアームレスタイプをそれぞれ組み立てました。


第一印象は、美しい。
チェスカチェアの雰囲気を感じることができます。


横から見ると、カンチレバー構造なのでスタイリッシュ。
接地面にはプラスチックの支えが取り付けられています。


後ろです。
パイプが背面の外側に固定されていました。

座面は、ラタン張りに重ねるようにネットが張られています。
チェスカチェア正規品とリプロダクトの違い
ここからは、チェスカチェアの正規品とリプロダクトの違いをご紹介します。
脚部の違い

正規品とリプロダクトでは、脚部に違いが見られます。
正規品では、小さな丸形の接地面でスチールの美しさが際立つスタイリッシュな仕上げ。
一方、多くのリプロダクトはパイプに設置面の大きな支えがつけられています。
カンチレバー構造のチェスカチェアは、緻密な構造でリプロダクトでは大きな接地面をつけてバランスをとっています。
また、正規品はスチールパイプを磨き上げるポリッシュ仕上げなのに対して、リプロダクトではスチール粉体塗装やステンレスが使用されています。
座面の違い

座面にも違いが見られます。
正規品では、ラタンで編まれた座面のみ。
一方、リプロダクトではラタンで編まれたものの下にネットを重ね、耐久性を保持しています。
同様の籐(ラタン)が使用されていますが、籐の中にも硬くて艶があり繊維がつまってきれいな色をしている特級品から漂白をして色を整える2級品まで様々。
籐の品質の良さは正規品のほうが良いです。
背面の違い

アーム付きのチェスカチェアは背面後部に形の違いがみられます。
正規品ではパイプがやや内側からアームに繋がっています。
一方、多くのリプロダクトでは背面外側に固定され、そのままアームが伸びています。
後ろのパイプの曲線は正規品ならではです。
チェスカチェアリプロダクトの選び方
チェスカチェアのリプロダクトには多くの種類があります。
パイプの組み立てが必要なリプロダクトや正規品を忠実に再現したものまで様々です。
リプロダクトを購入する際は以下の点を気にして選びましょう。
- 脚部の支えの有無
- 座面の構造
- アームタイプの背面構造
- 組み立ての有無
それぞれ見ていきます。
脚部の支えの有無
正規品のチェスカチェアは接地面の支えが目立たない構造。
リプロダクトでは支えが目立つものから正規品に似ているものもあります。
支えがないほうが、スタイリッシュなデザインです。
とはいえ、支えがあるほうが安定します。
正規品では問題ないですが、価格の安いリプロダクトで支えがない場合、安全性や耐久性が低い場合もあります。
脚部の構造に着目した選び方が必要です。
座面の構造
正規品は、品質の高い籐(ラタン)で張られています。
リプロダクトではラタンの下にネットを重ね耐久性高めているものがあります。
ネットがないほうがデザインは魅力的ですが、天然素材なので長期の使用で破れやすいです。
耐久性とデザインどちらを重要視するかで決めてみてください。
アームタイプの背面構造
正規品のアームタイプの背面は、パイプがやや内側からアームに繋がっています。
リプロダクトでは、外側に固定されたものが多いです。
金額は高いですが、正規品を忠実に再現したリプロダクトもあるので背面構造をみて検討してみてください。
組み立ての有無
正規品は、完成品が届きます。
リプロダクトでは梱包サイズを小さくするために組み立てが必要なものが多いです。
組み立ては、支柱のパイプから組み立てが必要なものから、座面背面を固定すれば完成するものまで様々。
基本的に完成品のほうが耐久性も安定性も高いです。
特に、カンチレバー構造なのでパイプの組み立てが必要なリプロダクトは耐久性に不安があります。
選ぶ際は、組み立てがどの程度必要なのかも気にしてみてください。
チェスカチェアのリプロダクトがおすすめな人

チェスカチェアのリプロダクトは以下のような方におすすめです。
- 正規品にこだわらない方
- 手軽にチェスカチェアの雰囲気を取り入れたい方
リプロダクトは正規品と違いはありますが、お部屋に置いた時のインテリア性は見劣りしません。
細かな違いを気にしないのであれば充分に魅力的なチェアです。
【まとめ】チェスカチェアのリプロダクトは違いを考慮した選択を
今回は、チェスカチェアのリプロダクトをレビューし、正規品との違いをご紹介しました。
正規品との違いもありますが、リプロダクトのなかでも違いがあります。
ぜひ参考にしてみてください。

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